• 「シゲコラム」  

      齋藤滋子院長が提供するおはなし

     

     

    月刊サイトウ歯科で10数年に連載されていたコラムです。

    サイトウ歯科・磐田 院長 齋藤滋子の子供時代の話から歯の話まで独自の視点で書いています。

    どうぞ、お楽しみ下さい。

  • 4

    「おやつについて」

     

     このところ、食に関する不安なニュースが多いようです。本来、“健康で生活するための食べ物”は安全なものでなければならないのですから、皆さんは、お子様の“食べるもの”については日頃から注意しておられることと思います。(注:園医をしている幼稚園の父兄に配布した資料です。)
     

     さて、1日の中心となる食事についてはもちろんのことですが、意外と盲点になっているのがおやつやジュース類のとり方です。

    “おやつ”イコール“甘いお菓子”と考えておられる方はいませんか?
    確かにティータイムのスイーツをほうばる時は至福のひと時かもしれません。でも、コンビニで売られている菓子パンやプリンなどにはエネルギー量が記載されていますから、見てみましょう。“ちょっとおいしいもの!”はたいてい200キロカロリー以上です。スナック菓子1袋にいたっては300~500キロカロリー以上です。5歳児で1日1250キロカロリー、30代のお母さんでさえ1日2000キロカロリー位で大丈夫なのです。栄養のバランスがとれた3度の食事で1日のエネルギーをとりたいものです。
      

    そしてもっと盲点になっているのが炭酸飲料やスポーツドリンクの類です。350mlの缶で130キロカロリー位ですが、砂糖は16~30g程入っています。5gのスティック・シュガー4本分の砂糖の量を想像してみてください。ゾッとしませんか?


      また歯科的にいうと、誰の口の中にもいるミュータンス菌という虫歯菌は砂糖を分解して粘着性のプラーク(歯垢)を作ります。そしてその中で歯を溶かす酸を作り出すのです。お祭りなどで普段よりたくさん砂糖入りのお菓子を食べると、プラークもいつもよりたくさんたまります。プラークのたまったお口で砂糖入りの清涼飲料などを飲むと、プラークの中のミュータンス菌はもっと大喜びして、それこそお祭り騒ぎになります。酸もたくさん作り出すことでしょう。ハミガキしても追いつかなくなってしまうかもしれません。是非、水やお茶をお薦めします。


      子供たちの嗜好は親たちをはじめとして周りの大人たちが作っているといっても過言ではないはず。おいしいものを簡単に買える時代ですが、簡単に買わずに健康を手に入れる“知恵”も大切かもしれません。

     

    おまけ

    炭酸飲料等のエネルギーのほとんどは糖分由来のもので、その糖分は炭水化物の値とほぼ同じ。また果汁飲料は果汁の割合が少なくなるほど、添加糖分(ブドウ糖・果糖・蔗糖等)が増え、エネルギーも高くなります。缶やペットボトルの炭水化物の量を見てみましょう。

    アクエリアス(350ml缶)10.1g
    コカコーラ(350ml缶)24.9g
    ポカリスエット(500mlペットボトル)33.5g
    桃の天然水(500mlペットボトル)42.5g
    午後の紅茶(500mlペットボトル)20.0g